So-net無料ブログ作成
弁護士業について ブログトップ
前の10件 | 次の10件

今年もお世話になりました。 [弁護士業について]

 今年もあっという間に年の瀬を迎えました。
 私の所属する神戸シーサイド法律事務所も今日が仕事納めになります。
 今年は3月に兵庫県弁護士会の副会長職を任期満了により終えました。
 弁護士業務の方は平常時のペースに戻ってきましたが、単に元に戻すのではなく、自分の仕事のスタイルもこれまでより洗練されたものにしていきたい、と思いながらやっています。
 
 弁護士の場合は、世の中の色んな状態の人、色んな事象(これは、常識感覚から見ると、困難なものも多い)に対応するという「幅の広さ」と、仕事における秩序・正確さ・迅速さという「精度」のようなものと、これをいかに両立させるかということが課題になります。これを痛感します。
 きっと多くの弁護士が同じだと思います。
 2人の弁護士のあり方を例に挙げます。
 
 まずA弁護士。 
 この弁護士は、何とか困っている人の助けになりたいと思う気持ちが強い。
 たとえ、見通しが立たなくても、不安要素があっても、できるだけその仕事をやろうという気持ちになります。
 しかし、実際にその仕事をやると、裁判所などの第三者からみたときの客観的根拠の乏しさ(確立された判例がない、ハッキリ書いた証拠が無い)ことに悩み、時には第三者から「根拠の無い」仕事をする、と非難されます。

 次にB弁護士。
 自分が受けた仕事は必ず責任をもって所期の目的を達することにプライドを持っている(ゴルゴ13のようなタイプ)。
 依頼人が、あやふやな態度であったり、隠し事をしたりすることは許さない。そのような依頼人の仕事は請けない。
 また、確実に所期の目的を達するという見通しがなければ事件を受けない。
 仕事は限られるが、受けたものは確実に遂行する。

 如何でしょう。
 あなたはA弁護士とB弁護士とどちらが好きですか。

 実際には、イメージとしては、大半の弁護士は、A弁護士とB弁護士ほど極端ではなく、A弁護士的要素とB弁護士的要素を両方持ち、また、その間で自分の在り方を模索しているのだと思います。
 「自分の在り方を模索」というのすが、これをぼんやり考えると、若い頃「A20B80」だった人が、経験を積み「A70B30」だった時期を経て、「A50B50」のバランスに至る、というイメージになります。私も何となくこういうイメージを持っていました。
 
 しかし、だんだん、相反する・矛盾する考え方や感覚を「併せ持つ」、ということを「意識的に」考える必要があることが分かってきました。
 「意識的に」やると、A弁護士的要素とB弁護士的要素との「いいとこ取り」が出来るようになるのではないか、と。
 うまくすれば、いいとこ取りをして、先の数字(「A50B50」など)と対比して言えば、「A80」と「B80」とを併せ持ち、いつでも適宜引き出せるようになる。これは強い!

 こういうイメージが私の今思う、弁護士としての「洗練」です。
 日々一歩ずつでもその域に近づくよう努力したいと思います。

 趣味の世界では、今年は約7年ぶりに弁護士会の野球チームに復帰しました。
 私は弁護士登録約15年ですが、最初の8年くらいは毎週野球チームの練習や試合に出ていました。
 しかし、その後、仕事や私生活、他の趣味に没頭するなど色々の事情があって、最近は5年以上、野球チームから遠ざかっていました。
 一旦遠ざかるとグラウンドに立つことさえ億劫になるものです。
 また、一時は運動不足で、肩こり・腰痛などの不快感に悩む時期もありました。
 そうしたところ、2年前に、昔指導して頂いていたトレーナーの先生が主宰されるジムが神戸に出来たことから、ジムに通うようになりました。
 ジムでトレーニングをしてだんだん身体が動くようになってくると、「投げたり、打ったりしてみたい」気持ちが湧き出し、チームに復帰できました。
 復帰(ほぼ)元年となった今年は、子どものように無邪気に球を追い、バットを振っただけで、チームの戦力には余りなっていません。せいぜい、声を出して、チームの雰囲気を良くすることができたかな、というくらいです。
 来年は、草野球なりにも、野球の醍醐味を味わえるように、打撃・守備とも自分なりに「洗練」していきたい、そうできたら楽しいだろうなぁ、と思っています。
 年齢によって速さには違いがあっても、また、スタートラインがどこにあったとしても、自分なりの「進歩」は喜びです。
 趣味・レクリエーションなどに対する考え方も、歳とともに変わってきました。
 若いときは成績などで「目立つ」ことに気を取られがちでしたが、やっぱり、趣味は、自分自身の喜び、充実感、明日への活力に繋がることが大切と。

 以上のようなことを考える今年の年末ですが、今年関わりのあった皆様、大変お世話になりました。
 来年もご指導ご鞭撻宜しくお願い申し上げます。

                                     弁護士 村上英樹(神戸シーサイド法律事務所

トラブルが解決することそのものの価値 [弁護士業について]

 通常、多くの方は、弁護士の業務といえば、

裁判

裁判は勝つか負けるか

というイメージを持つのが普通ではないか、と思います。

 しかし、実は、本当にトラブルに巻き込まれた人にとっては、「勝つか負けるか」だけではありません。
 「そのトラブル(紛争)があること自体」がストレスになるのが普通です。

 ですから、「勝つか負けるか」だけではなく、弁護士は、

トラブルを適切な時期に終わらせる

ということも念頭に置いて事件を進めることになります。

 もちろん、人によって言われることは様々で、

「早く解決したい。」

という人もあれば

「とことんやってほしい。」

という人もいます。
 
 ただ、表面的な言葉としては「とことん」であっても、やはりトラブルが未解決である状態がストレスであることに変わりはなく、その状態のまま時を過ごすということ自体は、一般的にはマイナスです。

 そして、裁判などは基本的に過去に起こった出来事か、現在の状況について、事実を争ったり、その評価を争ったりするものであり、それ自体は「後ろ向き」な作業であることが多いのが常です。

 できればその段階を終えて早く「未来志向」、次のステージに行きたいわけです。

 例えば、離婚案件などはその最たるものです。
 つまり、過去のことを色々とやり合うこともありますが、究極的には、通常は、離婚後の、新しい人生の段階の創造のためにやっているのです。

 そうすると何を考えなければならないかというと、次のようなことになります。

 過去のことや現在のトラブルについて、まず、

・ 自分の心の引っかかりは何か
  「これだけは何とか対処しなければ、次に進めない」と思うポイントはどこか?

というのをしっかり見極めることです。
(見極めるために、弁護士と打合せをするという面もあります。)

 見極められたら、次に、

・ その「引っかかり」は、具体的に、何をすることによって解決出来るのか。
  例 裁判で、証拠調べ(証人尋問など)をやることによって解決出来るか。
     裁判官に判断してもらうことによって解決出来るか。
・ あるいは、裁判や弁護士を立てての交渉をしたとしても解決出来ない種類のことか。
  例 紛争相手に対する憎しみ、嫌悪感そのものなど。

これらを分析しなければなりません。

 自分の中で、例えば、

「裁判手続の中で、書類を調べてもらったり、証人尋問をしてもらったりして、公の立場にある裁判官がどう思うかの判断はもらわなければスッキリできない。だが、それが出来れば、過去のことを区切りをつけて前を向いていける。」

と考えるならば、それに必要な時間は覚悟するしかありません。

 ですが、「これをやるための時間が必要」としっかり納得すれば、トラブルが解決するまでの時間が例え2年、3年かかっても、苦痛に感じる度合いは軽減できます。

 「トラブルが未解決の時間」は一般論として「しんどい」としても、その「しんどさ」は、

・ 時間の長さ

だけでなく

・ そのために時間を掛ける必要性についての自分の納得

によって変わるというわけです。

 上のように、

「このトラブルを終わらせるにあたって、なにをしなければならないか。」 「なにがしたいか。」 「そのために、なにができるか。できないか。」

を、弁護士と依頼者は打ち合わせて明確にしていくことにより、無駄なことを省いて、真に依頼者にとって大切なことに的を絞って活動をそれに合わせていければ、結果的には比較的早期に解決が得られるはずです。
 これが理想のトラブル解決です。

 逆に、依頼者が「早く解決したい」と表面的には言っておられても、例えば、交通事故で一生残る重度の後遺症を残してしまった場合の損害賠償請求など、一生の問題については、

トラブルが未解決であることの苦痛はわかるが、安易に低額で和解することのデメリットは大きい
(仮に、紛争解決まで数年かかったとしても、一生、たとえば今後数十年残る後遺症に対する損害賠償としては適正な賠償を得ておかなければ、将来の生活資金が不足する恐れが出てくる)

ということを説明をすることがあります。
 
 つまり、

・ トラブルをここで終わらせたい/まだ終わらせたくない

という当事者のその時の気持ちと、

・ 客観的に、その人の置かれた立場を見て、どちらがいいのかという判断

に目立った差が生じている場合には、基本的に、弁護士はそれを指摘するのが誠実というものだと思っています。

 もちろん、そういう指摘が依頼者にとって「意に沿わない」可能性はもちろんあるので、「押し付ける」というものではありません。
 あくまで、依頼者にとって真に有益だと思われる「別の視点」を提供する、ということです。
 その上で、自分の感情と違った別の視点も踏まえて、質の高い自己決定をしていただく、ということです。
 
 そして、「いつ解決するか」「どのような内容になるのか」は、事案により、人により、それは千差万別ですが、それでも、「トラブルが解決することそのものの価値」というのはやはり大きいものです。
 訴訟で言えば、原告、被告、裁判所の3者はそれぞれ立場が違い、時には対立し、主張を戦わせます(特に原告と被告)が、しかし、「トラブルを解決する」ことに向かっては協同作業をしているわけです。なので、対立点の話は別として、訴訟の進め方の段取りなどを打ち合わせているときは、原告と被告の代理人弁護士も穏やかに話をするのが通常です。
 これが、裁判とただの「喧嘩」との大きな違いですし、また、訴訟代理人(弁護士)には(勝ち負けだけではなく、相手方の人格も尊重するなどの)節度も求められるゆえんです。
 ※ 裁判で、必要な主張や立証活動は遠慮なくしますが、しかし、必要以上に相手方の人格を攻撃(罵倒)したり、傷つけるだけの目的で行動したりすることは、弁護士として避けるべきことです。
  
 このようにして、通常人にとってストレスの源である「トラブル」を効果的に解決する、ということには大きな価値があります。そこに、弁護士の仕事の意味がある、というわけです。

                                弁護士 村上英樹(神戸シーサイド法律事務所

セカンドオピニオン~しかし、他人の仕事に言及するのは軽く出来ることではない [弁護士業について]

 もとは、医療についてよく言われた「セカンドオピニオン」。
 最近では、司法の世界などでも「セカンドオピニオン」というのをちらほらと聞きます。

 私の経験でも、例えば、医者にかかっていて、どうも疑問もあるけれども聞けず悶々としていたところ、医者をやっている友人に「これこれこういう状態なんだけど大丈夫かな?」と尋ねてみると、「それはそんなもんや」と言われ、それだけですっとした、ということもあります。

 なので、専門的領域では、「セカンドオピニオン」があることが人の気持ちの助けになる、ということはよく分かります。

 ただ、「セカンドオピニオン」というのが意外と要注意だな、と最近思うことがあります。
 私のところに相談に来られる方の中に、こういう方も近時増えてきました。

A弁護士に相談、依頼

B弁護士に相談すると、A弁護士の仕事はダメだと言われる、弁護士を変えろ、と

私のところに来て、どう判断したらいいのでしょう?と。

 
 実際、私も他の弁護士に依頼中の方から「セカンドオピニオン」を求められることがあるし、そういう相談も受けています。
 私の経験上、90%以上は、
・ 現在の弁護士の方針そのものには問題がない
・ 関係をより良くして、依頼を続けた方が良い
とアドバイスしてきました。
 ときどきあるのは、「弁護士からの説明が不足している」「弁護士に疑問点を聞けていない」というのコミュニケーション不足の問題ですが、その程度のことならば、じっくり話をする時間を取って依頼関係を続けるのが良い、とアドバイスします。
 紛争の真っ最中であれば、担当弁護士を変更することは色々とデメリットがあります(費用に無駄が発生する、事件把握が余計難しくなる、依頼者と弁護士との間での不協和音があるのではないかと第三者に思われる等)。
 なので、「極力、今依頼している弁護士を変えない」ことを勧めます。
 依頼する弁護士を変えるのは、どうしても変えなければ仕方がない事情があるときだけ、というアドバイスをします。

 というのは。
 自分が仕事をしていても思うのですが、

・ 依頼者が、直感的に「こうしたいな」と思うこと



・ 弁護士が、把握した状況から見て、「こういう幅の中で解決出来るな」、従って、「この程度の解決が出来れば満足すべきだな」と思うこと

との間には差がある事が殆どだからです。

 むしろ、依頼者には見えていない点を客観的に見て、「良薬は口に苦し」のアドバイスをするのが弁護士の役割だからです。

 ですので、事件をやっていく中で、依頼者の直感的な希望と、現実の着地点を合わせていかなければなりません。
 その過程で、まずは、事件を受任するときの話の中で、「必ずしも希望通りに行かないこともある」あるいは「希望通りとはいかない可能性がかなりある」等の「意に反する」ことも言わなければならないからです。
 
 また訴訟などの中でのやり方についても、

依頼者が「この証拠を出してくれ!」と思っていても、弁護士から見てそれを出すのは得策ではない(あるいは、正義に反するから出せない)

と判断することもあります。

 つまり、サービス業とは言っても、

「仰せのままに」

という仕事ではないのです。

 事件を最後までやり遂げるにあたっては、扱うのがトラブルだけに、依頼者と弁護士との間にも何らかの緊張関係が生じることが少なくありません。
 それを乗り越えた段階で、より強い信頼関係が生まれる、ということも経験上たくさんあります。

 そういう仕事です。

 「セカンドオピニオン」を求められたとき、「第一の弁護士」の短所をあげつらうことは簡単です。
 トラブルを扱う仕事の中で依頼者もギリギリの心境ですし、それに対して他に何件も事件を抱えている弁護士がどのように応対するか、と言っても、探せば「至らないところ」は無いほうがおかしいからです。

 しかし、せっかく依頼している弁護士が居る以上、その弁護士と依頼者との信頼関係を不必要に悪くするアドバイスをするのは、基本的に悪いことだと私は思います。
 依頼事件の処理が大変だと言うことを知っている同業者であれば、信頼関係が苦しいときほどなんとかして乗り越えるということが大切だということを知っているはずだからです。

 なので、例えば、セカンドオピニオンにおいては、

「あなたにはA弁護士の言い方はキツく感じたのでしょう。それは無理もないと思いますが、A弁護士からすれば、○○と判断して、○○とするのがあなたにとって最善だと考えるからこそそう言っているのでしょう。」
「私でも、表現は違っても、意味としては同じ事を言ったと思います。」
「私でも、そこは悩むなあ~。○○がよいのか、××がよいのか。」

等と、その人が分かるように、「第一の弁護士」の立場、考えのプロセスをできるだけ説明したいものです。
 それで、「そういうことなら分かりました」「なんだ、A先生もそう言ってくれればよかったのに」となって、元の鞘、というか、現在依頼中のとの弁護士との関係を維持できたら一番良いことです。

 もちろん、医者同士とか弁護士同士とか、同業同士の「かばいあい」というのが良いとは言いません。
 しかし、同業者だから分かる、その人がそう言う理由、そのような方針を採る理由を、客観的意見として依頼者に情報提供するのは良いことです。
 そういう「セカンドオピニオン」が良い「セカンドオピニオン」だと思います。

 なので、弁護士の「セカンドオピニオン」の際に、ちょっと話を聞いただけで、

それはあなたが依頼中の弁護士が悪い!弁護士を変えた方が良い。私ならもっと上手くやれる。

などと簡単に言う人がいたら、その人(「セカンドオピニオン」弁護士)のほうが信用できない、と私ならそう思います。そんなことで簡単に弁護士を「乗り換え」ても、またいずれ「乗り換え」なければならない可能性が高くなる、と思います。

 弁護士に依頼している状態の人の相談を受けて、弁護士の交代しかないと判断される場合でも、

・ 現在依頼関係のどのような段階にあるのか(始まったばかりか、ある程度まで来ているのか、終わりが近いのか、など)
・ 現在の弁護士の置かれた立場、その判断としてどういうものがあるか
・ 依頼者の希望と現在の弁護士の方針などを合わせることができないか
・ その時点で、弁護士を交代させることにデメリットがどれくらいあるか、そのデメリットをどの程度取り除くことが出来るのか

などを慎重に確かめて、やむを得ない(し、特に問題は無い)、という場合に初めて、現在の弁護士に対する委任をやめて新しい弁護士に委任するのがよい、ということになります。
 しかし、それはあくまで、例外的に必要やむを得ない場合と心得るべきことです。

 以上のようなことで、「セカンドオピニオン」があることは有り難いことだと思いますが、しかし、

「セカンドオピニオン」流行りの風潮には落とし穴もある

ということを強調したいと思います。
 
 ここは利用者の側がある程度意識しなければなりませんし、また、同業者の仕事に言及する立場の「セカンドオピニオン」の弁護士の良識が大切です。
 他人の依頼関係を尊重しないなら、自分の依頼関係を他人にぶち壊されても文句は言えない、立場になってしまいます。そのようなことをお互いやり出したら、信頼関係の必要な仕事は皆成り立たなくなります。

 このような点を注意していかなければどうにもなりません。「サードオピニオン」「フォースオピニオン」「フィフスオピニオン」…と続けていっても同じこと(ただ疑心暗鬼だけで解決にならないこと)になります。
 
 もちろん自分のこと、私の仕事のことが一番ですが、他の弁護士も依頼者とできるだけしっかりした信頼関係が維持できて1人でも多くの人の助けになる、そういう状況であるよう願っています。

                                             弁護士 村上英樹(神戸シーサイド法律事務所



 

時はまさに年度末 [弁護士業について]

 3月末、「平成26年度」末が近づいてきました。

 今年度は兵庫県弁護士会副会長を務めてきましたが、それもあと数日で終わり。
 次年度への引き継ぎ等に入っています。

 弁護士に限らず、各種業界でもそうでしょうが、日常の業務とあわせて、一種の公務をやる毎日というのは、いわば「二足のわらじ」の生活で、かなり厳しいものでした。

 日常の弁護士業務というのは、その大部分が人とのコミュニケーションにあり、コミュニケーションが円滑にいく為には「時間の余裕」と「心の余裕」というものが大いに影響するものです。

 その意味では、依頼者等の皆様には、すぐに連絡がつかないこと等が多く、また、お話しできてもどうしても「手短に用件のみ」という形になることが多くなったことをお詫び申し上げます。
 せっかくご依頼を申込み頂いても、多忙を理由に断ることも多々有り、それも申し訳ない気持ちです。

 しかし、役員をやってみると、これまで何気なく、自分の属する団体に「してもらっていた」こと、「してもらって当然」と思っていたことも、当たり前のことでは無く、誰かが汗水垂らしてやっていることの結果であることが実に良く分かりました。

 「公共心」のようなものは、教本などで教えられて分かるものではなく、実体験を伴ってようやく身につくもの、ということですね。
 平たく言えば、「ほんのちょっとのことだから、みんな協力してよ~」という立場に立ってみる、と言う体験は大事です。(もともと、一匹狼器質の私は、以前はそういわれても余り協力的でなかった・・・。でも、やってみると、私が想像したよりも、多くの方々が本当に熱心に弁護士会の行う公益的な活動に尽力しておられました。)
 学校教育などでも、例えば、苦労して文化祭を作りあげた、とか、苦労して○○同好会から始めて校長等に○○部を設立させた、とか、そんな体験でもって、「公共心」が学べるのではないかな、などと思った次第です。

 弁護士会、弁護士がどうあるべきかは、今の時代は本当に難しく、単純ではありませんでした。
 サービスの拡充は基本的には良いことだけど、紛争をどこまで本格的にやるのか、早期に収めるべきかをコントロールするのも弁護士。
 つまり、依頼者に誠実に、でも、単なる依頼者の言いなりであってもいけない。その意味では、単なる「雇われ」のような存在ではなく、弁護士は「自分の見識」を持たなければならないと思う。
 けれども、その基盤が安定していないと、その題目は画餅となってしまう。
 これをどうするか?という課題が、弁護士会の抱えている各種問題の根底にあり、この課題に何度も直面させられる1年でした。

 この1年で感じたこと、考えたことを、今後、世の中の皆様のために活かせるよう努めていきたいと思っています。


                                        弁護士 村上英樹(神戸シーサイド法律事務所

市民集会「その会話で逮捕?~共謀罪を考える~暗黒の社会への道を許すな」 [弁護士業について]

  今週末、兵庫県弁護士会では、「共謀罪」について市民向けイベントを行います。    http://www.hyogoben.or.jp/topics/pdf/150207shukai.pdf

 2月7日土 午後1時から 弁護士会館で行います(予約不要、入場無料)。

 「共謀罪」って何?という方も多いかと思われます。

 今年の国会で「共謀罪」という法案が出されると予想されています。

 「共謀罪」というのは、犯罪の実行行為がなくても、共謀(犯罪を共同してすることの相談)をしただけで罰することができる、というものです。

 凶悪なテロなどのニュースもあり、悪いことを未然に防ぐことはいいことじゃないか、と思われるかも知れません。
 が、物には両面があり、特に刑罰の場合は、その対象が必要以上に広がったり、また、どれくらい広がるか分からなかったりするのは、それでそれで怖いことになる恐れがあります。
 例えば、一般市民の行う環境保護運動などにしても、時にメールの会話などで、過激なことを言う人も混じっていることがあります。
 それを警察当局が目をつければ、共謀罪を捜査するために、市民活動のメーリングリストなどを捜査の名の下に閲覧することもあり得ます。
 そうなれば、ただの市民運動のために参加している人の発言も一々監視される状態になることだってあり得る、ということです。

 広い意味では、凶悪な犯罪対策 と 市民生活の自由(表現の自由など) とのバランスの問題ですが、これは丁寧に考えて行かなければなりません。

 そういうことを考えるきっかけになれば、という企画です。

 特にお近くの方、少しでも興味があればご参加下さいますようお願いします。

 さらに…来週 2/14(聖バレンタインデー)pm1~ 「医師と法律家によるTPPシンポジウム」
                                兵庫県弁護士会館 4階講堂
                      http://www.hyogoben.or.jp/topics/pdf/150214symposium.pdf
があります(私が司会をする予定)。
 兵庫県の弁護士会館では先週(震災イベント)から3週連続で市民集会を行っています。
 こちらも、よろしくお願いします。

 



                                         弁護士 村上英樹(神戸シーサイド法律事務所


 
 

シンポジウム~阪神淡路20年事業「1.17~3.11来たるべき災害に備える連携力」(1/31) [弁護士業について]

 兵庫県弁護士会も加入している阪神淡路まちづくり支援機構主催の行事の案内です。

 阪神淡路大震災20年という節目の年に、タイトルの通りの題でシンポジウムをします。

 弁護士だけでなく、司法書士、建築士、土地家屋調査士、技術士など各種専門家が、災害時に協力して事に当たることなどがテーマです。

 実際、震災後、例えば弁護士が相談をして、市などに援助金等の申請をしようとしても、例えば、家屋が全壊状態なのか半壊状態なのか専門的な判断が出来る専門家と連携しなければできません。
 阪神淡路大震災が起こったとき、このようなニーズから、各専門家の連携が生まれ、「阪神淡路まちづくり支援機構」という組織を作ってこれまで活動してきた経緯があります。

 そんなわけで、特にお近くの方、興味があれば是非このイベントにご参加下さい(予約不要、参加無料です)。

http://www.hyogoben.or.jp/topics/pdf/150131hanshinawaji.pdf

                              弁護士 村上英樹(神戸シーサイド法律事務所

今年もお世話になりました(+新年もよろしくお願いします。) [弁護士業について]

 今日で、神戸シーサイド法律事務所も仕事納めとなります。
 
 新年は6日から開所しています。よろしくお願いします。

 
 私個人としては、今年は何と言っても、兵庫県弁護士会の副会長としての業務があり、例年に無く時間に追われる日々でした。
 依頼事件の処理が滞ることがないように、ということがいつも頭にある日々でした。
 実務的な処理が遅れることはほとんど無かったと思うのですが、どうしても、弁護士会の業務に時間を取られることが多いので、依頼者の方その他の方と「じっくり話す」時間を取ることが難しいときが多く、それゆえにご迷惑をおかけした方にはこの場を借りてお詫び申し上げます。

 弁護士会役員としての業務では、弁護士会の外の業種との接点も多く、「社会の中で、他業種からみて、弁護士会や弁護士がどのような位置づけにあるのか?」など、普段と違った視点に触れることがたくさんありました。

 また、役員として対処するべき事柄は、多くの場合、アンラッキーな「トラブル」であったりして、「運悪く、どうしようも無い状態で困っている人」への対処という局面が多くあり、普段の自分の感覚だけで割り切ることができない事態に、考えさせられることが多かったです。

 以前にもブログの記事で書いたことがあるのですが、平成14年頃から本格化しだした司法制度についての「改革」については、上手くいっていない部分があります。
 弁護士の人口が増えて、「動きの良い若手」が増えたことはプラスです。
 ですが、弁護士の世界も、経済的な自由競争にもろに晒されるようになり、多くの弁護士が使命(人権擁護と社会的正義の実現)と現実的生き残り(事務所維持のための売上げ獲得)との間に挟まれて、在り方に悩むようになりました。
 弁護士会の業務をしていると、その状況がありありと分かりました。
 弁護士と言っても、皆、生身の人間です。生身の人間が、自分の生活もある中で、他人の一大事を扱っているわけです。これ自体、もともと恐ろしいことなのです。
 制度として、食うか食われるか弱肉強食の経済競争に過度にさらされることなく、弁護士は、「弁護士として正直に活動すれば報われる」というシステムへ近づけるべきだと改めて強く思いました。
 
 ともかく、色々なことを学ばせて頂いた1年でした(役員任期は3月まで残っていますが)。
 関わった全ての方に、お世話になりありがとうとざいました、と申し上げます。

 新年もどうぞよろしくお願いします。

                                          弁護士 村上英樹(神戸シーサイド法律事務所

丹波地方大雨被害の法律相談は無料になります~兵庫県弁護士会の法律相談 [弁護士業について]

 兵庫県弁護士会の法律相談で、丹波地方大雨被害の法律相談について、当面、無料とすることになっています。

 ある程度災害の影響が落ち着いた時点で、次に心配事になるのは、復旧のための費用、保険金、援助金などお金の問題や、土地・建物に関することになってきます。

 なので、今はまだ直後過ぎるかもしれませんが、相談したいと思ったときに無料で相談して頂けるようにしています。

 丹波地方の相談所は各水曜日に相談を受け付けていますし、その他、神戸・尼崎など各相談所では他の曜日もやっています。

 いずれも予約制、下記案内のとおりです。(予約電話番号等が記されています。)
 http://www.hyogoben.or.jp/topics/pdf/140827soudan.pdf

                                弁護士 村上英樹(神戸シーサイド法律事務所

兵庫県弁護士会定時総会 [弁護士業について]

 さる5月29日、兵庫県弁護士会の定時総会が開催されました。

 私が副会長として臨む初めての総会でした。

 当日の主な議題は、今年度予算と、「会長・副会長の報酬」でした。
 「会長・副会長の報酬」というのは、ズバリ、私の報酬でもあります。

 弁護士会の副会長は、ほぼ毎日、何時間かは会の仕事に時間を割くことになります。
 会長となれば、毎日殆どの時間を会の仕事に割きます。
 その間も、事務所を維持していかなければなりません。

 これまで兵庫県弁護士会では、会長・副会長は報酬ゼロでした。
 ボランティアでやっていました。
 昔は、有り体に言えば、今より「儲かっている」弁護士が多かったのでそれで問題無かったのです。

 しかし、弁護士業界も変わりました。
 司法試験合格者が急増し(私が合格したH10ころから比べると3倍)、競争も激化するなかで、営利活動以外のことに毎日何時間も割くということは、大変になりました。
 
 私の場合、事務所の他の弁護士などが最大限カバーしてくれているので、弁護士会の副会長職と、日常の弁護士業務を、どちらもやることができています。
 しかし、例えば、1人で事務所をしている人などは、弁護士会の会長・副会長をやりたいという意欲があっても、現実には出来ないのです。

 これを放っておくと、(今は事務所内部の弁護士の協力により私はなれていますが、もっと弁護士業界に余裕がなくなると)、いずれ、「大金持ち」弁護士以外は弁護士会役員になれないことになります。
 それは困ります。色んな層から、役員になる途を開いた方がいい。
 
 とはいえ、今までボランティアでやっていたものに報酬を出す、という(一種の)改革には、反対意見も予想されました。
 それなので、今回はごく少額の「報酬」を規定するにとどめました。「報酬」をその仕事量に見合ったものにするのは今後の課題となりますが、ともかく、「意欲のある弁護士が弁護士会の会長・副会長に立候補しやすくする」ための一歩になったと思います。
 
 自分が役員でないときは、自由に意見を言い、これくらいの「議案」が成立するなど時代の流れからすればごく当たり前のことで、「『改革』といえ、なんてのんびりしているんだ」などと言っていたでしょう。
 しかし、役員となれば、一つの議題を通すにも、なかなか労力の要ることだ、と実感しました。

                                 弁護士 村上英樹(神戸シーサイド法律事務所

兵庫県弁護士会副会長に就任しました [弁護士業について]

 4月1日から、兵庫県弁護士会副会長に就任しました。
 
 弁護士会の副会長という仕事は、弁護士会の行っている色々な活動(弁護士業務そのものに関係するものだけではなく、ボランティア的な人権擁護活動などを含む)について、全体的なマネジメントをする仕事です。

 過去、兵庫県弁護士会で副会長をされた先輩弁護士はみな尊敬する方ばかりですが、私が特に印象に残っているのはやはり津久井進先生(http://tukui.blog55.fc2.com/)でした。私が、弁護士会の活動で一番熱心に取り組んだ「教育基本法」問題のとき副会長として全面的にバックアップして下さいました。そのころの取り組みの中で感じたこと、考えたことは、その後の私の弁護士としての在り方に大きく影響を及ぼしています。

 4月の上旬は、年度の立ち上がりで最も忙しい時期です。年度替わりの挨拶回りや、弁護士会内にある委員会の立ち上げなどで、今週一杯までは、昼の時間は埋まってしまっています。

 「副会長」も、日常の弁護士業務を自営で営む弁護士ですから、普段の仕事(依頼案件)をやりながら、弁護士会の仕事もやるという一年になります。
 なので、スケジュールが極めてタイトになりますが、依頼案件の処理を迅速に行うことは、前年度までと変わらぬよう努めます。

 弁護士会は、今、会員(弁護士)人数も増えています。私が弁護士になったときの倍は優に超えます。それだけに会のマネジメントに費やす時間、労力も大変なものになっています。
 社会全体の変革、司法の仕組みの変革、特に、弁護士の人数が激増していることによって、弁護士ひとりひとりも余裕が無くなっている中、より良い明日を作ることに少しでも寄与できれば、と思っています。

 何年か前から、「お前、副会長になれ」というお言葉を先輩弁護士から頂くようになりました。
 自分の時間などがものすごく減るだろうと予想されるので、すぐに「やります」とは言えませんでした。
 が、「お前なんかに役員になってもらっては困る」というのではなく、「役員をやれ」と他の弁護士から言ってもらえること自体、とても光栄なことだと思い、やることにしました。

 弁護士会や社会に貢献する中で、副産物として、自分がこれまでより幅広い視野を持てるようになることや、自分が成長できることにつながる一年になればよいな、と思います。

 自由時間はかなり減るのですが、体が資本、身体の良いコンディションが気力の源なので、昨夏から生活の中で一番の楽しみになっているジム通いだけはできるだけ怠らずに行こう、と思っています。

 ブログも更新頻度は鈍るかもしれませんが、新たな視点で、発見したことや思ったことを書いてみたいとおもいます。

                                     弁護士 村上英樹(神戸シーサイド法律事務所
                                     
前の10件 | 次の10件 弁護士業について ブログトップ