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日弁連 原子力発電所の再起動についての会長声明 [原発どうするか]

 日弁連が意見を出しています。

 http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/statement/110623_3.html

(本文)
 経済産業大臣による「原子力発電所の再起動について」と題する声明に対する会長声明去る6月18日、経済産業大臣は「原子力発電所の再起動について」と題する声明を発表し、福島第一原子力発電所の事故を踏まえて各電気事業者が「津波による全交流電源喪失を想定した緊急安全対策の実施により、炉心損傷等の発生防止に必要な安全性を確保していることを確認し」、また、「シビアアクシデントへの対応に関する措置が適切に実施されていることを確認した」として、各地の停止中の原子力発電所の一部について再起動を求めた。

しかしながら、この声明は、以下の理由から撤回すべきである。

第1に、未だ福島第一原子力発電所の事故は収束していない。すでに炉心が溶融し、圧力容器から漏れ出しており(「メルトスルー」)、今後どのように事故が変遷していくか全く予断を許さない。事故の原因・経過の調査はその緒についたばかりであり、事故の全体像及び詳細は未だ不明な点が多い。そもそも今回の事故原因が津波だけに起因するものか、地震そのものに起因する機器損傷が影響を与えているのかという最も基本的な事実関係についてさえ未だ現地調査ができないために解明されていない。にもかかわらず、上記声明は、津波と電源対策の強化だけで安全性が確保されたとしており客観的な事実に反している。

第2に、原子力安全委員会は、6月16日に、安全確保策の抜本的な見直しを図る必要があるとして、安全設計審査指針、耐震設計審査指針、防災指針の見直しを始めるとした。全国の原子力発電所の安全確保策の見直し策は、これから検討される段階であり、安全確保対策は未だ確立されていない。福島第一原子力発電所で発生した長時間の全交流電源喪失という事態は、これまでの安全設計上は考慮不要とされていたが、原子力安全委員会の班目委員長は「すぐさま改訂しなきゃいけないものと思っています」と述べている。上記のとおり今回の事故原因の解明も未だできておらず、この指針改訂に基づく安全性の確認もなされていない段階で、経済産業大臣が原子力発電所の再起動を求めることは、今回の原発事故の深刻な被害を顧みない、甚だしい安全軽視の姿勢であるといわざるをえない。この点、伊方原発最高裁判決(1992年10月29日)は、原発の安全審査の「具体的審査基準に不合理な点がある」場合には、原子炉の設置・運転が違法となる旨述べており、この最高裁判決からしても、安全審査基準の見直しをすることなく国が運転再開を認めることは許されない。

この声明に対しては、原発立地自治体の知事がこぞって反対又は疑問を呈しているが、地域住民の生命と安全に責任を有する者として当然の反応であるというべきである。また、最近のある世論調査では、国民の8割が原発の廃炉推進の意向を示している。このような知事の意見や世論に逆行してまで、原発再起動を強行すべきではない。

よって、経済産業大臣の声明は、直ちに撤回すべきである。


2011年(平成23年)6月23日

                          日本弁護士連合会
                          会長 宇都宮 健児
                                                        (引用終り)


 いつの時代でも、為政者の無能をなじることは割と簡単なことで、誰でもします。
 でも、私は、そういうことは本来あんまり好きじゃないです。(とは言っても、つい口に出てしまうことはしょっちゅうですが。気楽に言える立場なので無責任につい言っちゃうのですね。やっぱり。)
 
 私の思想信条と違う政党から出た首相であったとしても、その人が持っている真心があるなら、その点については出来るだけ信じたいし、良いことに活かして欲しいと思うのです。
 
 菅首相が、エネルギー政策の転換の問題に力を注いでいることについては、「延命策ではないか」「『歴史に名を残したい』欲」等色々なことが言われ、そりゃもしかしたらそうかも知れません。
 でも、色んな思惑が混じっているにしても、そういう不純なものだけではなくて、「自分がやめるまでに、明日の日本のために、何とか一筋の道筋をつけたい」という真摯な思いもあるのだろうと思います。
 
 もともと、不純と純なものが混じっているのが人間であり、人間の集合体である組織だって、多かれ少なかれそうではないかと思います。

 ならば、もしかして不純なものの中に混じっているとしても、その真摯な思いは活かして欲しいと思います。
 
 
 菅首相が、原発、エネルギー問題で将来への道筋をつけたい意思が本当なら、内閣で、しっかりと他の大臣と向き合って、粘り強く自分の意思を伝えて、足取りを確かにして、進めて欲しいと思います。

 浜岡のこととそれ以外のことなので、対象とする施設が違うわけですが、首相の「浜岡停止」、エネルギー政策転換の姿勢と海江田大臣の「再起動要請」の姿勢のギャップ、これでは、やっぱり困ります。首相の言っていることも、ほんまかいな、となってしまいます。

 日弁連会長の声明の指摘、もっともだと思います。今、安全だ、再稼働だ、と国が言うことへの疑問は大きいです。

 
 世間的にはやめろの大合唱かもしれませんが、私は、敢えて、菅首相に、あなたのもっている真摯な気持ちがあるのを信じます、それを確実な足取りでちゃんと活かして欲しい(やめるにしても、是非やっておきたいことがあるのなら)、とエールを送りたいです。

日弁連 エネルギー政策の根本的な転換に向けた意見書(2011.5.6) [原発どうするか]

 
 日弁連は、5月に、原子力発電所の段階的廃止を盛り込んだ意見書を出していますので紹介します。

 私は、内容を読んで、なるほどと納得できるものでしたし、この方向で自分も出来る努力をしたいと思いました。
 もう一つ踏み込むならば、資源を必要以上に贅沢に使うライフスタイルが果たして人間が本当に望む幸せに繋がっているか?という根本的な問いをもっと、というところくらいですが、このあたりは哲学的な部分なので、個人の論文ならともかく、日本弁護士連合会としての意見書に余り盛り込むのは馴染まないかもしれません。

 少しでも興味・関心がある方は、是非読んでみてください。

http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/110506.html

(冒頭だけ引用)
第1 意見の趣旨
当連合会は,エネルギー政策の抜本的な転換に向け,次のとおり意見を述べる。
1 持続可能性を基本原則とするエネルギー政策にすること。
2 原子力発電所については,新増設を停止し,既設のものは段階的に廃止する
こと。また,運転開始後30年を経過し老朽化したものや付近で巨大地震が発
生することが予見されているものについては運転を停止し,それ以外のものに
ついても,地震・津波に対する対策を直ちに点検し,安全性が確認できないも
のについては運転を停止すること。
3 石炭火力発電についても,新増設を停止すること。
4 再生可能エネルギーの推進を政策の中核に据えること。
5 エネルギー製造・供給事業の自由化を促進し,発電と送電を分離すること。
6 エネルギー消費を抑制するための実効的な制度を導入すること。
7 排出量取引制度等によってエネルギー供給の確実な低炭素化を図っていくこ
と。
8 エネルギー政策が多くの国民に開かれ,国民の積極的な参加を促すものとす
ること。
                                                     (引用終り)
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