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「火花」~又吉直樹著 [読書するなり!]


火花

火花

  • 作者: 又吉 直樹
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/03/11
  • メディア: 単行本


 
 この本についてはもう、(1人でも多くの方に)読んで頂くしかない、という感想です。
 魂の作品だと思いました。

 芸人である主人公が、ある先輩芸人との付き合うなかで、色んな発見をする、という話ですが、何かの物事に本当に向き合うことや、何かを突き詰めること、特に、人間の本性の根幹部分に純粋に向かっていくことというのはどういうことか、を感じる作品でした。

 純粋に理想を追うということが素晴らしい、という単純な話ではなく、むしろ逆に、純粋に理想を追うことは恐ろしいこと、不都合なことにたくさんぶち当たることになるが…という話です。

 ここからは「火花」で書かれていることではなく、私が考えたことです。

 「笑い」というのは、突き詰めれば、人間社会と人間の本性そのものの根幹で、何らかの「ずれ」であったり「意外性」であったり、そういうハプニングが起きる(起こす?)ところに生じるわけです。
 これを業とする「芸人」というのは、まさに人間の本性そのものに深く切り込んでいる仕事であって、これ以上にハードな仕事はないように思えます。

 弁護士は、人相手の仕事ですし、多くはトラブルの渦中にある人相手の仕事ですから、これも人に対する深い洞察力や想像力などがなければ、依頼者をよりよくサポートすることができません。
 ただ、あくまで取り扱う事柄そのものは法律問題であり、そこには法律なり裁判例なり、確かな道しるべとなるものがたくさんあります。
 一方で、「芸人」さんにはそんな「道しるべ」はなく、「芸人」さんは自分の感性(と相方?)だけをよりどころとして、人間という一番難しいものに素で挑んでいくという、考えただけで恐ろしいハードさの中で勝負していると思われます。
 又吉さんが描く、そういう「芸人」さんの在り方からは、私にとって学ぶもの、感じるべきものがたくさんあるように思えました。

 もちろん、弁護士の仕事が芸人さんよりも軽い、などということではありません。
 別の面で弁護士にはハードさがあります。
 しかし、やはり弁護士の能力(いや、弁護士に限りません。究極的には「仕事人」であればみな一緒でしょう)は人間的な総合力です。
 これは、私がいくつになっても「自分はまだまだ」ということになると思いますが、特に私が未だ40歳の若輩であることからすれば、「人」に対する勉強をもっとしなければならない、といつも強く思います。
 本などに書いてある「答えのあること」について専門家として理解と知識を備えることは当たり前、その上で、人間的な総合力を高めてより大きな力を発揮し、法律的な考え方や知識を実際に人のために役立たせることができるように、日々研鑽を積まねばならない、と思った次第です。

神戸シーサイド法律事務所                             弁護士 村上英樹

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